わが家の庭先

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 4/29の庭先の様子です。
 これから1か月くらいが緑が最も美しい季節です。
 玄関のすぐ左の株立ちの木はヤマボウシ。初夏に星形の白い花を一斉に咲かせ、緑とのコントラストが見事です。
 その左奥が赤いハナミズキ、玄関の右隣は白いハナミズキ、その前の緑はトネリコです。
 ちなみにアメリカハナミズキとヤマボウシは同じ仲間です。
 2階のベランダでは、バラのつぼみが膨らんでいます。
 次回は咲きそろったバラたちをご紹介する予定です

今年も咲いてくれました

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 夏の管理ミスか、葉の勢いが例年になく弱かったので、今年はあきらめかけていましたが、ここにきてやっと咲いてくれました。5年間連続です。品種は「シェリーコンプトン タッチ・オブ・クラス」といいます。
 カトレアは、温度設定を少し下げると花持ちはかなりいいのですが、他の胡蝶蘭のこともあり、15℃以上にしています。
 夏は診療所の軒下で、寒くなると、ワーディアンケースに入れて育てています。
 この花が終わる頃は節分も近いかもしれません。

金木犀と銀木犀

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 こう書くと何のことかわりませんが、キンモクセイとギンモクセイと書けば、「ああ」ということになりますか。
 さて、「君の瞳は○○万ボルト」という歌の中にも、「キンモクセイの咲く道を」というフレーズがあります。
 春のジンチョウゲ(沈丁花)と秋のキンモクセイは、その季節の訪れを実感させる香りの季語の代表でしょう。
 私はキンモクセイというと、運動会をすぐに連想してしまいます。
 運動会当日の緊張した心とキンモクセイの甘酸っぱい香りが、条件反射のように分ちがたく結びついていて、今でも小中学校の頃の思い出が鮮やかに蘇ってきます。
 もっとも最近の子どもにキンモクセイの香りで連想するものは?とたずねると、なんと「トイレ」だそうです。   さもありなん。
 キンモクセイはモクセイ科の常緑樹で、中国原産の観賞用植物、雌雄異株で、日本のものは全て雄株で結実しないそうです。ツバキやサザンカに似た堅い葉をしていますが、確かに実を見たことはありません。
 花は鮮烈な香りの割りに見た目は地味ですが、3,4mmの橙色の4弁の花びらで耳かきの先を4つ集めたような愛らしい形です。
 全く同じ形で花の色が白いものはギンモクセイと呼ばれます。前者に比べ、香りはやや控え気味で花も目立たないのですが、全体の佇まいはどことなく風格があります。
 庭のキンモクセイの花をマクロで撮ってみました。

ランという植物

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 NHKの『地球・ふしぎ大自然』という番組が好きで、ほとんど毎回欠かさず見ています。
 9/6放送のこの番組で、メキシコの熱帯雨林に生息する「バケツラン」というランを紹介していました。英語ではbacket orchidというのでしょうか。
 実に不思議な生態をもったランで、知能があるのではと思わせるような巧みな技で、厳しい環境の中で生き抜いていました。
 よくランは、「最も進化した植物」といわれます。
 ランには、この地球上で最もあとから現れた植物ゆえの宿命があるのです。
 地上のおよそ植物が生息できる場所という場所は、他の先住植物によって占拠されているわけですから、新参の植物はそれなりの工夫をしなければその世界に入り込めないのです。
 その意味では、地生(地面に生える)ランと着生(他の植物に付着して生える)ランに大別されるランのうち、特に後者の着生ランがより優れているといえます。
 ちなみに前者の代表格としてはシンビジウム、デンドロビウム、後者の代表格はカトレア、ファレノプシス(胡蝶蘭)が有名です。
 着生ランは、自分の居場所として、なんと高い木の枝を選んだのです。これこそ、地上の生存競争の厳しい場所をあえて避けた頭脳プレーなのです。
 カトレアの根は、他の木などにしがみつくための機能と空気中の水分を吸収する機能をもっています。ですから、湿度を含んだ空気があれば、特に水をやらなくても生き続けることができるのです。
 その他、種の保存の面でもかなりの知恵を身につけています。
 たとえばハンマーオーキッドというランは、花弁の中にあるハチの雌の形そっくりの突起をもっていて、雄のハチが交尾しようとその突起につかまると、その突起がハチごとまるでハンマーを振るようにしなってハチの体に花粉をつけるという仕組みになっています。
 前置きが長くなりましたがこの「バケツラン」、香水のような香りで雄のハチを惹きつけます。しかも最も芳香を強く発する部分は下向きになっているのです。ハチはすべって、リップ(ランの花弁で、一番下に位置するもの)とよばれる花弁が変化したバケツ状の器の中に落ちます。この中には、ラン自らが貯めた液体が入っていて、ハチはその中で必死にもがきます。食虫植物のウツボカズラに似ていますが、この液体はハチを溶かしません。ハチにはもう一仕事してもらわなくてはならないのです。
 この容器には一か所だけハチが這い上がる足がかりになる部分があり、そこにハチが辿り着くと、今度は狭い通路があり、そこをやっとの思いでハチが抜け出る時、最も狭い部分にあった花粉がハチの背中に確実に付着するようになっているのです。
 それだけではありません。花粉はアリにも運ばれるのです。花粉はアリの巣まで運ばれるとそこで発芽、発根し、ありの巣を取り囲むように成長します。ありの巣はランの根でしっかりと固定され、ランはアリにより、害虫から守られるという共生の関係を築いているのです。
 ここまで徹底した生き残りの技を身につけたランがいたのには脱帽です。
 明日からのランの世話にもまた興味が湧いてきました。   (写真はファレノプシス=胡蝶蘭)

ノボタン

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 お盆を過ぎても暑い日が続きます。秋はいつ来ることやら。
 そんな残暑のなかで元気に花を咲かせている植物を見ると、なぜか心和みます。
 以前、夏のイメージの花は?というお話をしましたが、大事な花をひとつ忘れていました。  
 今回ご紹介するノボタンです。
 カタカナで書くとまるで風情を感じませんが、野牡丹と書くといかがでしょう。
 実際にはボタンほど華やかではありませんが、暑い季節に柔らかそうな繊毛で覆われた淡い緑の葉の上に咲く、濃紺といいましょうか、濃い紫のこの花の色はほっとすほどの涼を運んでくれます。形もシンプルでとても品のいい花ですね。
 散った花びらもしばらく色褪せず、余韻を残してくれます。
 ちょっと小振りになりますが、四季咲きのものもあります。

マシュマロ

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 「マシュマロ」といって何のことかわからないという人は、どちらかというと少数派ではないでしょうか。
 でも、多数派のほとんどの人は、まずあの真綿のようなふわふわのお菓子を思い浮かべるのではないかと思います。
 「アオイ科の植物でしょ?」といえる人は、かなり植物に造詣の深い方か、ガーデニング通、ハーブ通です。
 たしかに「マシュマロ」の名は、アオイ科の植物に由来しています。
 英語では、[mashmallow]と書きます。
 [mallow]とはアオイ科の植物の総称、[mash]とは[mashpotato]の[mash]、つまり「すりつぶした状態」をさします。
 何となく想像がつきますか。
 あの「マシュマロ」は、もともとは[mashmallow]の根をすりつぶして作ったものなのです。(今では、もっと量産できる小麦粉等を原料としているようですが)
 ですから、最初の「マ」にアクセントをつけて、「マシュマロウ」と発音する方が正しいようです。
 マシュマロウは、夏に小さな淡いブルーの花をたくさん咲かせます。
 葉は、ハーブとしても使われます。
 冬には枯れたようになりますが、種が落ちるせいか、必ず毎年新しい株が育ちます。
 同じ仲間に、コモンマロウやムスクマロウなどもあります。
  (写真はマシュマロウの花)

ベランダから

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 自宅のベランダの様子をご紹介します。
 写真は5月のゴールデンウィークの頃のものです。
 私が小学生の頃、2代前の家のちょうどこの辺からは、1km離れている両毛線の車窓に人の顔が見えたものでした(目もよかったんでしょうね)。祖父母は農家でしたから、2階のこの辺は蚕室の窓で、ここからよく外を眺めたものでした。
 その途中に見えるものは林と田畑ばかりでした。
 今では、100m前の国道50号線沿いにはお店が並び、そこから両毛線までは住宅が建ち並び、その向こうの景色は全く見えなくなり、すっかり都会!?になってしまいました。
 さて、このベランダですが、土を運んだ苦労話は以前触れました。
 5月は、バラが咲き乱れて一番きれいな季節です。
 少し写真の解説をします。
 手前にあるピンクの覆輪のバラは『ニコル』(フロリバンダ系)、
 右寄りの藤色(私は「小倉色」と呼んでいます)のものは『ショッキングブルー』(フロリバンダ系)、
 左隣の赤っぽいグラデーションは『ブリガートン』、
 左奥に見える黄色は『シャルロット』(イングリッシュローズ系)ーこれは有名なグラハム・トーマスによく似ています、
 その隣の濃い赤は『オクラホマ』(フロリバンダ系)、
 その上のピンクは『マリア・カラス』(ハイブリッド・ティー系)大輪
 左奥に見える茶色の鉢が直径60cmのものです。
 花がないときのバラは、葉を楽しむこともできます。
 それぞれ個性があって、色も微妙に違います。
 一般的に、花の色の濃いものは葉の色も濃く、白や黄色の薄いものは葉も明るいトーンのものが多いようです。

バラを食べた犯人の子孫!?

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 以前、次女が学校からもらってきたウサギにバラを食べられてしまったというお話をしました。
 このウサギは雄だったのですが、その後、「雄だから」という理由をつけて娘は今度は雌ウサギの子をもらってきました。今から思うと、どうやら確信犯だったようです。
 ですから、ある日、ケージの中にうごめく小さな生物を発見した時の驚きは相当なものでした。
 写真の3匹は、その生物の現在の姿です。
 待合室に写真を貼って、里親を探しています。
 でもかわいいでしょ?

ベランダの肥料

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 以前、ベランダで大きなコンテナでバラ等を楽しんでいるというお話をしました。
 直径60cmのコンテナに培養土を入れるのは結構骨が折れます。
 最初の頃は、手すり越しにバケツにロープをつけて土を引き上げていました。
 その大きなコンテナも今では10個になり、そのほかにも11号鉢がいくつもという塩梅で、その手すり廻りはすでに満杯状態、残念ながら先ほどの方法は使えなくなりました。
 バケツに土を入れて、階段を上り下りしたこともあります。かなりの運動になり、時には腕がしびれてしまうこともありました。もちろん、この時に使うのは左手。診療に差し支えないためです。
 最近は寄る年波を考えて、なるべく負担のない方法をとっています。
 つまり究極の省エネ、リサイクルによる土とたい肥の循環です。
 バラ以外の植物の剪定した部分や枯れ葉等を蓋のできる容器に入れ、土といっしょに撹拌しておきます(バラの葉には細菌や病気が残っているため、これは廃棄します)。
 次から次へと土との撹拌を繰り返していくと、冬以外なら3か月ほどでいわゆるたい肥から腐葉土になってしまいます。実際に使うのはもう少しおいて熟成してから。下の方から取り出し、培養土として他の土に混ぜて使っています。
 土をベランダまで運び上げる手間と、枯れ葉や枝などをベランダから外まで運び下ろす手間が少し省けるようになりました。
 そしてなにより、ゴミの量が激減しました。
 バラの植え替えは、最高気温7℃以下の時期に、根についた土を全部洗い流してしまうというお話をしました。ところが大きなコンテナではこれもなかなか大変な作業になります。なんといっても1、2月のことですから。
 そこで私は妥協策として、コンテナ内の土を深いところまで部分的に掘り出し、そこに先ほどの土を入れるという方法をとっています。
 最善の方法ではありませんが、それでもバラは毎年元気にきれいな花を咲かせてくれます。
 一度お試しあれ。

ノウゼンカズラ

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 皆さんにとって夏の風物詩はなんでしょう。
 花火、盆踊り、すいか、ビアガーデン、潮騒、蚊取り線香・・・
 植物ではいかがでしょう。
 フェニックス、ヤシなどの観葉植物を冷房の効いた部屋で下から眺めるなんていうのも、なかなか贅沢な「夏」ですね。
 私は、ムクゲ、ノウゼンガズラ、キョウチクトウ(夾竹桃)、サルスベリ(百日紅)、ヒマワリ(向日葵)などに夏のイメージがあります。
 診療室の前の植え込み(約5m×2m)には、ブナの木とヤマツツジ、イチイノキ、そしてオリーブを中心に、モッコウバラ、ラベンダー、ローズマリー、タイムがところ狭しと植えられています。
 さらに、ノウゼンカズラとクレマチスが背の高いブナやヤマツツジに絡まっています。イングリッシュガーデンをめざしているのですが、この季節はやや込み過ぎている感があります。
 いま、そのノウゼンカズラが咲き始めていますが、今年は例年よりやや早いようです。ルージュ・タカラズカという、一般的なものより赤みの強い種類です。
 鮮やかな葉の緑と濃い橙色の花のコントラストがいかにもトロピカルな雰囲気を醸し出しています。蜜が甘いのか、よくアリが
 冬を前に枯れたように葉を落としますが、かなり剪定を強くしても、翌年は必ず元気な新芽を出します。
 夏に楽しむ植物としてお勧めです。
 ただし、1日に数十cmも伸びることがあるのであしからず。