口腔乾燥症(ドライマウス)


 以前は歯科疾患というと、むし歯と歯周病、歯列不正がほとんどでしたが、最近では歯科医院で扱う口腔の疾患は広がる傾向にあり、その代表として顎(がく)関節症と口腔乾燥症が注目されてきています。
 今回はそのうちの口腔乾燥症をとりあげてみましょう。
 その名が示すように、口の中が乾燥している症状を示すわけですが、実際に乾燥していなくても、唾液の分泌量が正常値に比べ少なくなり、そのことによって何らかの問題を起こしている場合も口腔乾燥症とよびます。
 口腔乾燥症が原因で起こる問題とは、
* 口に中がヒリヒリする、口内炎ができやすい
* 口に中に食べ物がいつまでも残って食事がしにくい
* 唾液が常に粘ついている
* 入れ歯があたりやすい、はずれやすい
* 食べ物の味がわかりにくい
* むし歯や歯周病が起こりやすい
* 口臭が強い
* 口呼吸をしている
といった症状が挙げられます。
 もちろん、これらの症状が全て口腔乾燥症によるわけではありませんが、3つ以上あてはまる場合、その疑いが強いといえるでしょう。
 口腔乾燥症の原因は実に多岐にわたります。
 高齢化とともに唾液の分泌が多少低下しますから、わずかながらこの傾向はありますが、最近では、高齢化に伴う他の疾患やそれに伴う薬物の服用による影響のほうが大きいのではないかと考えられています。
 原因となる疾患としては、シェーグレン症候群(外分泌腺の機能低下を起こす原因不明の自己免疫疾患)、ホルモン・代謝系の異常(糖尿病、尿崩症、甲状腺機能異常、放射線治療の被曝の影響、神経性疾患等が挙げられます。この他、先に触れたように薬物の副作用がかなりの頻度でみられます。
 特に利尿剤や降圧剤、抗うつ剤、抗不安剤、抗コリン剤、抗パーキンソン剤等が口腔乾燥を引き起こしやすいとされています。
 対処としては、
* 唾液の分泌を促すように、唾液腺付近(頬から顎の内側にかけて)をマッサージする
* 口腔周囲の運動(ガム等を長時間かむのも効果的ですが、シュガーレスのものを選んで下さい)
* 咀嚼回数を増やすよう心がける(ゆっくり食事を摂る)
* 唾液の分泌を促進するよう、リラックス、休息、睡眠時間をきちんと撮る
ことなどが大切です。
 また、湿潤剤配合洗口液の使用も効果的です。(窓口に置いてあります)
 一方で、口腔乾燥症では、ちょっとした刺激で粘膜が傷つき、口内炎等ができやすくなりますから、口腔内の清掃にも日常的に気をつけたいものです。
 詳しくは診療の際にご相談下さい。

このページを閉じる

Copyright 2004 Aoba Dental Clinic All Rights Reserved.