これからの歯科医院の利用のしかた

2013年12月



 「CureからCareへ」
 青葉歯科医院のホームページの冒頭のフレーズです。
 これまでも折に触れてお話ししてきましたが、人々の健康間の高まりとともに、病気になってから治療するより、病気にならないように、あるいは症状が軽いうちに管理をするという方向へより力点が置かれるようになってきました。
 これはとてもよいことだと思います。
 

 医療の役目は、もちろん疾病をもった方の治療であることには疑いの余地はありません。 しかし、国の医療費にも制約があることも事実です(もちろん、国の予算の中でどれだけ医療費に充てるかという議論はありますが)。
 
 疾病の状態が軽度なら医療費は比較的少なく住みます。疾病がなければ全くかかりません(いわゆる健康診断は医療ではありません)。
 国の医療費を効率的に使うには、健康状態によりある程度グループ分けし、重症のグループ、軽症のグループ、そして健康なグループに分け、最初のグループには医療費を集中する、次のグループには管理と指導により重症化を防いだり(維持)、より健康な状態(増進)へシフトさせる、そして最後の健康なグループには健康の維持に努めるような対応が必要です。
 そして、本当に必要な治療を集中して行うために、疾病の重症化をできるだけ少なくし、本当に治療の必要な方々へ医療技術と医療費を集中することが肝心です。
 歯科の分野では、むし歯と歯周病は予防と管理によりかなりの部分発症を抑えられることがわかっています。かつて30〜40年前、「むし歯の洪水」といわれた時代がありました。患者は治療のため早朝から歯科医院の前に並び、歯科医は1日に100人以上の患者の治療を強いられるという、今ではとても考えられないような状況でした。
 では現在はどうでしょう。
 むし歯の痛みを訴えて来院する子どもは珍しいくらいに減りました。
 日に一度もブラッシングしない方はほとんどいないでしょう。歯ブラシ以外に歯間ブラシやフロスを使う方も多くなりました。
 これは、食事やブラッシングの指導のたまものだと思います。
 これにくらべ歯周病はまだ多く見受けられますが、さらに予防や管理が徹底すれば、歯周病もやがてそうなる日が来るでしょう。

 そのために歯科医院に通院する---これが最近の歯科医院の利用のしかたのトレンドです。
 予防とは、疾病の発症を未然に防ぐことです。
 一方管理とは、コントロールとかメインテナンスという英語が使われています。疾病が再発したり、悪化しないための処置、指導等が含まれていますが、歯科では歯石や歯垢(プラーク)の除去(当院ではこれらをまとめて汚れの除去とよんでいます)、洗浄、ブラッシング指導等を指します。
 一般的にはこれらの処置は痛みを伴いませんから(歯石を除去する際しみることは時々あります)、比較的気軽に受けることができます。「汚れを取ってもらってすっきりした」という方がほとんどです。 ブラシで汚れを取ることもありますから、家庭でブラッシングする際の当て方、動かし方の参考にもなります。
 初期の炎症であれば、このような汚れの除去と家庭でのブラッシングでほとんど症状は消えるはずです。つまり、痛い思いをしないためにも、炎症が重症化する前に管理しておくことが一番なのです。

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