おとなの矯正治療

2015年7月



 最近は歯並びに対する認識の高まりからか、あるいは学童期に何らかの事情で矯正治療を開始できなかったためか、成人してから矯正を考える方が増えてきました。
 矯正の場合、個人により差がありますが、おおよそ10歳前後に治療を開始できれば理想的なのですが、いろいろな事情で、必ずしもこのとおりにできないこともあります。でも逆に、特殊な疾患等がない限り、矯正に年令制限がないというのも事実です。つまり何歳からでも矯正は始められると考えてよいでしょう。

 成人の矯正治療も、基本的には小、中学生の治療と変わりませんが、いくつかの特殊性があります。

 ひとつは、矯正装置が見えるということです。
 小、中学生の場合ももちろん見えますが、当然のことながら成人のほうがこれを気にする方が多いようです。
 その場合には、ブラケットという歯に直接接着する金具をステンレス製からセラミック製、あるいはプラスチック製のものに交換すると、かなり目立たなくなります。

 次に、成人で歯周病がある場合です。
 そのまま矯正治療を始めると、歯に加わる力の変化や装置周囲のブラッシングがより困難になるため、歯周病が進行、悪化する恐れがあります。
 そのために、矯正治療に先立ち、歯周病の治療を行う必要があります。

 また、小中学生の場合にくらべ、治療期間がやや長くなる傾向があります。
 矯正治療での歯の移動は、歯を支えている歯周組織、つまり歯の周囲にある繊維や骨で改造がおこるために可能となるのです。つまり、歯を押した側の骨が消えていき、引っ張られた側の骨が新しく作られるために、結果として歯が動くのです。しかし、成長期を過ぎた成人では、成長期の子供にくらべ新陳代謝が鈍くなるため、この改造がやや緩慢になります。また、骨の成長が終了しているため、歯の移動がより請願され、矯正のための抜歯が避けられないケースがやや多いようです。

 いずれにしても、むし歯の処置のように短期間で終わるものではありませんから、歯並びがきれいになったときのことを楽しみにしながら、根気強く治療に望むことが大切です。なお、矯正の治療費は医院によって異なりますから、おおよその治療費を最初に確認しておいた方がよいでしょう。

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