新医院完成

完成と言っても、建物だけで、これから旧医院の解体、駐車場整備、外構工事が待っています。

ここ2週間というもの、引越しと後片付けでクタクタです。

でも、来院された方から、「広いですね」「気持ちがいいですね」「綺麗ですね」「おめでとうございます」と口々に歓迎の言葉をいただき、やはり思い切って新築してよかったと改めて実感しました。

これからさらに、皆様に喜ばれる医院にしていきたいと思います。

新医院完成間近

4月もすでに後半にさしかかりました。

新型コロナは変異株も含め、まだ終息は見えません。

でも季節は確実に進んでいきます。

医院の玄関前のモッコウバラは今年も咲き誇り、甘酸っぱい香りを漂わせています。

新しい医院の完成も間近、ゴールデンウィーク前後を使い、引越しとなります。

患者の皆様にはご不便をおかけします。

新築はめでたいはずですが、いろんな手続きや作業のことを思うと、寝ても目が覚めてしまうこともしばしば。

でもま、なんとかなるでしょう。

新医院建設 その2

前回は、昨年水に基礎部分の建設の様子をご紹介しました。

その後の進捗ですが、今回の写真は、上が2月4日、下が本日2月24日の状況です。大まかな骨組みができていく様子がご覧いただけると思います。

電線等を避けながらの作業が最も難しかったようです。

ときに暖かい日もありますが、一年で最も寒い季節、そんな環境下で作業員の方々は手際よく組み立てていきます。

このあと、屋根材が乗るようですが、制限された条件下なので、重機ではなく手作業で行うそうです。実際にどうやるのか、見当がつきません。

いずれにしても、作業の安全を祈ります。

新医院建設

10月22日に地鎮祭が執り行われ、11月よりいよいよ青葉歯科の新診療所の工事が始まりました。

順に、11/9 11/20 12/10 12/27の建設現場の状況です。

11/9の写真は、駐車場のアスファルトを剥がしたときのものです。

11/20の重機(ユンボ?)は、掘削したあとどうやって地上に出るのか、興味津々でしたが、残念ながらその場を見ることはできませんでした。

最初、2m近くまで重機で掘削したので、患者さんの中には「地下室ができるんですか?」と訊ねる方も。新医院は、地下室なしの地上2階建てです。

面白いのは、11月中は、診療中作業員の方の声はほとんど聞こえなかったのですが、12月になると次第に声が大きくなってきました。作業する高さが次第に地上に移ってきたんですね。

これから徐々に立ち上がり部分ができてくるでしょう。

新型コロナの感染状況で、よく「65歳以上の高齢者」という表現が使われますが、私自身、既にその年齢になりました。

でももうしばらくの間、モチベーションを維持して、皆さんの健康維持に、そして自身の健康維持にも繋げていきたいと思います。

来年はぜひとも困難を乗り越え、良い年にしたいですね。

10月22日に地鎮祭が執り行われ、11月よりいよいよ青葉歯科の新診療所の工事が始まりました。10月22日に地鎮祭が執り行われ、11月よりいよいよ青葉歯科の新診療所の工事が始まりました。

ストレスと免疫力

冬を迎えたいま、例年のインフルとともに、新型コロナウィルス感染の第3波とみられる拡大が告げられています。

 私たちは、見えない敵に対し、いまだ確実な対処法が見出せないでいます。

 とかく、三密の回避やマスク着用、手洗いといったいわゆる対外的な対処法に関心が向きますが、同じ条件のもとでも、感染する人としない人がいることも事実です。

 まずは原点に立ち返り、自分自身の対処法にも向き合う必要がありそうです。

 これは対コロナのみならず、細菌やウィルス等あらゆる外敵に対しての感染防御と症状の悪化軽減に役立つはずです。

 自身の対処法、つまり免疫力をつけることです。

 以前にも触れましたが、私たちの日常の体調は自律神経によってコントロールされています。自律神経は交感神経と副交感神経からなり、大雑把に言えば、臓器に対し相互が促進と抑制という拮抗作用(反対の働き)でコントロールしています。どちらかと言えば、交感神経が活動に適した作用をし、副交感神経が体を休めたりエネルギーを貯蓄しようとする作用をします。

 別の表現では、交感神経は脳を活発に働かせる作用もしますが、同時にストレスに対処するときにも働きます。

 逆に、副交感神経は主にリラックスさせたり、睡眠時に作用します。

 ここで注目したいのは、交感神経を過度に興奮させるストレスという刺激です。

 働きすぎ、悩みすぎといった「心身の疲れ」などで、心と体にストレスがかかると、自律神経が乱れて交感神経が過度に興奮します(ちなみに性格的にイライラしたりせっかちな人も交感神経の働きが強い傾向があり、病気になりやすいと言われています)。

 その際、交感神経からアドレナリン(というホルモン)が分泌されることで、白血球の一種である顆粒球が増加します。 

 顆粒球は細菌を処理する力が強く、自らが発生させた活性酸素によってそれを殺します。細菌を処理した後は膿(化膿性炎症)を作ります。増加した顆粒球は、役割を終えるときに活性酸素を放出しますが、この活性酸素は広範囲で組織破壊を起こします。そしてそれと共に、血管が収縮して血行も滞ります。

 その結果、細胞の老化、血行障害などが起こり、がん、心臓病、高血圧、便秘、不眠等、さまざまな疾患が発生しやすくなります。

 また、顆粒球はサイトカイン(免疫細胞間の情報伝達物質)を産生し、これが過剰に産生された場合には組織を障害したり、免疫細胞であるリンパ球の働きを抑制すると言われています。

 ここで、自然免疫と獲得免疫について簡単に触れておきます。

 自然免疫は、外敵が侵入した際、敵が何であれ、まず真っ先に出てきて貪食作用(相手を取り込んで分解処理する)を行いますが、白血球の一種の顆粒球はその代表です。

 一方の獲得免疫は、一度体内に侵入した敵の情報を確認し、その情報から作った抗体で攻撃します。これらの働きをするのが同じく白血球の一種であるリンパ球です。

 リンパ球は、細菌よりもさらに小さい異物を処理するように進化した白血球で、接着分子(接着タンパク)に小さい異物を吸着させて認識します。

 小さな異物とは、ウィルスや消化酵素で分断された他の動物や植物のタンパク質などです。はしかウィルスや卵白などに免疫ができるのはこのためです。

 その代わり、リンパ球は細菌に対しての免疫作用はあまり機能しません。細菌で起こる病気は顆粒球が処理するため、リンパ球の誘導が起こりにくく免疫(狭義の免疫)ができにくいのです。

 自律神経の支配分野(どの機能をコントロールしているかということ)では、顆粒球は交感神経の支配を受け、リンパ球は副交感神経の支配を受けています。

 つまり、ストレスが多く交感神経の興奮が高まった状態が続くとリンパ球の働きが弱くなり、ウィルス感染に対する抵抗力が弱まるというわけです。

 換言すれば、副交感神経の支配をやや高めておくことが、ウィルス感染の予防につながるのです。

 この実践について、財団法人 脳神経疾患研究所 総合南東北病院発行の「健康倶楽部」の記事をご紹介します。

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(1)ストレスの多い人は、副交感神経を刺激して優位に保っておく  

 副交感神経とは、夜や休息時に働く神経、血管を広げ血流を促し、心身をリラックス状態にする働きがあります。緊張したり、興奮したりすると交感神経が優位になり心臓の拍動を高め、血圧を上昇させます。通常はこの二つの神経がバランスを取っているのですが、ストレスや過労などで自律神経が乱れると白血球にも悪影響が及ぶのです。ですから、やや副交感神経を優位に保っておくことが免疫力アップにはよいと考えられています。            

 副交感神経を優位にするには、             

A)適度な運動をする

B)深呼吸をする

C)食事をゆっくりよく噛んで食べる

D)ぬるめのお風呂につかり体をあたため血流を良くする  

 副交感神経が優位になると、リンパ球が増えて免疫力が向上します。ただし、増えすぎは免疫過剰で問題です。とはいえ、現代のストレス社会は交感神経が優位になりやすく、免疫力の低下につながっていると考えられます。

(2)免疫力を高める食品をとる  

 免疫力を高める食品といわれているのが、食物繊維が多い食品、抗酸化食品です。腸内の環境がよいと免疫力がアップすることは明らかになっています。腸は病原菌などが腸壁から侵入するのを防ぐ免疫細胞が多く集まっているので腸内の善玉菌を優位にするために食物繊維の多い食品や、ヨーグルトなどの発酵食品を積極的にとることです。 

  *積極的にとりたい食品   玄米・野菜・きのこ類・バナナ・緑茶・ココア・りんご・ヨーグルト・納豆など  

(3)ストレス過剰にならない

 現代社会において、ストレスはつきものです。そのストレスをうまく発散させること、といってもそれが簡単にできれば言うことないのですが、ストレスが強いと、交感神経が優位になるので、免疫力が弱まると考えて下さい。副交感神経を優位にさせるとストレスが弱まり、免疫力がUPすると考えれば良いわけです。      

 仕事などで疲れたら、無理をせずに十分休養すること。無理をして疲労を回復させずにいると、当然免疫力が弱まり、病気に抵抗できない体になってしまいます。  

 毎日の生活の中でリラックスできる時間をとることです。リラックスの時間に笑いがあれば最高です。  「笑う」ことは副交感神経に支配されているので、「笑い」のある生活が免疫力を高めることになるのです。 

(院内だより「あおば」No.201)

立花隆著「思考の技術」から

コロナ禍で家での生活が増えた分、たくさん本を読むことができました。

その中で、立花隆著「思考の技術」を一部ご紹介し、私なりの感想を書き添えたいと思います。

ちなみにこの著書の原著は1971年に出版されたものですが、その後再編集して今年新たに出版されたものです。内容のほとんどは半世紀前のままですが、現在なお光り輝いています。

新型コロナウィルスとの共存が強いられる中、ご自身の生活や生き方の参考になればと思います。

「寄生者」が暴れた時、人は「病気」になる

自然界から寄生という現象を排除して考えることはできない。あらゆる生物が寄生者を持つと考えてさしつかえないほどである。寄生者を持たない生物をさがすには、バクテリアのレベルまで下らなくてはならない。

たとえば一羽の鳥をとりあげてみる。そこには幾種類かのダニ、シラミ、ノミ、ヒル、条虫、尖頭蠕虫せんとうぜんちゅう、回虫、吸虫、眠り病虫、舌形類、らせん菌、鞭毛虫、アメーバといった寄生者がたかっているのが普通である。その種類の多さについては、56種類の鳥の巣を調べたところ、ダニなどの節足動物だけで529種類もいたという報告がある。また数の多さについては、1羽のダイシャクシギから、1000匹以上のハジラミが見つかったという報告がある。

人間については、文明国ではノミもシラミも退治され、回虫などの寄生虫もほとんどなくなっているから、寄生者は求めるのがむずかしいだろうと考える人がいたら誤りである。人間の体内にも、いたるところ寄生生物がいる。消化器官、分泌腺、肺、筋肉、神経などにウヨウヨいる。寄生者とは、必ずしも回虫、ジストマなどの大型生物だけをさすのではない。大腸菌のような菌類も含むのである。

人間はふだんはこうした寄生者のことを気にもとめていない。ときどき寄生者が、ただ寄生していることに甘んぜず、人体の組織や器官の働きを壊しにかかることがある。このとき人間は病気となり、その寄生者は病原体と名づけられる。そして、人間は病原体を追い出すためにやっきとなる。

(感想)

寄生虫というと狭い意味での寄生生物を指しますが、ウィルスやバクテリア等、広い意味での寄生生物はいたるところに棲息しています。そして通常は、それらが絶妙なバランスを保っているため、ことなきを得ています。ところが、抗生物質で病気の原因菌を退治しようとすると、その菌のみならず他の菌も死滅することがあります(大抵そうなります)。すると、その抗生物質の影響を受けなかった菌が空いたスペースに異常繁殖し、新たな病気を引き起こす場合があります。菌交代現象、あるいは日和見感染と言います。

 

疫病が終焉しないのは、都市があるから

病気は寄生者のおごりによる失敗である。巧みな寄生者は、宿主を殺さない程度に甘い汁を吸いつづける。宿主を殺してしまっては、自分も死なざるをえないからである。

病原体微生物は、たびたび猛威をふるって疫病を流行させたことがある。しかし、いかなる疫病もそう長続きするものではない。宿主の死につき合っていれば自分も死ぬ。宿主が死なないうちに、別の宿主のところに移動しようと思っても、周囲の人間がバタバタ倒れて生息密度が低くなっているので、それもできない。ということで、疫病は終焉するのである。病原体微生物による病気は古代からあった。しかし、それが流行病となったのは、人間が都市をつくり、人口密度を増加させ、寄生者が宿主の間を移動しやすい環境をととのえてやったからである。

家畜や農作物の間には、豚コレラ、ニューカレドニア病、イモチ病といった流行病がやたらと発生するが、自然林や自然草原の動植物の間には別に流行病が発生しないのも同じ理由による。家畜や農作物のために人間が作ってやった単一の環境は、病原体微生物にとっても、心地よい環境なのである。

寄生という現象を広義に解釈してみる。すると、人間の自然界における位置も寄生者にすぎないことがわかる。

人間という寄生者は、自然という宿主に寄生しているのであるから、自然を殺さない程度に利用すべきなのである。病原体微生物のように、宿主の生命を破壊するという愚を犯してはならない。宿主を変えようにも変えることができないからである。すでに地球自然は病みつつある。このへんで、毒素の排出を人間がやめないと、元も子もなくなりそうである。

(感想)

現在、新型コロナウィルス感染収束に見通しの立たない状況が続いていますが、このウィルスもいずれは弱毒化したものだけが残り、宿主である人間の命を奪わない程度に静かに共存するようになるでしょう。ただ、ここで述べているように、密集しすぎた環境は疫病の感染が広まりやすいので、注意が必要です。また、人間も地球(地球を生物ととらえて)にとっての寄生生物である以上、宿主を死滅させるような愚は侵してはいけないし、それが結果的に人間という種を守ることでもあるのです。

 

進歩の方向と速度を考え直せ

生態学の観察する自然界での速度は正常な変化であるかぎり緩慢である。生物は、あるスピード以上の変化には、メタボリズム機能の限界によってついていけなくなるからである。

進歩という概念を考え直すに当たって、生態学の遷移という概念が参考になるに違いない。遷移のベクトルを考えてみる。その方向は系がより安定である方向に、そしてエネルギー収支と物質収支のバランスの成立の方向に向けられている。その速度は目に見えないほどのろい。なぜなら、系の変化に当たって、それを構成する一つ一つのサブシステムが恒常状態(ホメオスタシス)を維持しながら変化していくからである。自然界には、生物個体にも、生物群集にも、そして生態系全体にも、目に見えないホメオスタシス維持機構が働いている。

文明にいちばん欠けているのはこれである。それは進歩という概念を、盲目的に信仰してきたがゆえに生まれた欠陥である。進歩は即自的な善ではない。それはあくまでも一つのベクトルであり、方向と速度が正しいときにのみ善となりうる。

いま、われわれがなにをさしおいてもなさねばならぬことは、このベクトルの正しい方向と速度を構想し、それに合わせて文明を再構築することである。

(感想)

生物は本来、恒常性の維持(ホメオスタシス)といって、自身が対応できるある範囲内の変化はありつつ、その範囲を超えた場合、異常と感じます。ゆっくり時間をかけての緩やかな変化はホメオスタシスで対応できますが、急激な変化は異常と感じ、正常に戻そうとします。人類の文明の速度は、ホメオスタシスの範囲を超えているということでしょう。その変化の速度は生態学的に正常なのか、また変化する方向は間違っていないのか、自然と対話しながら自然への致命的なダメージを与えない方向を探っていかなくてはならないのでしょう。

-立花隆『新装版 思考の技術』(中公新書ラクレ)からの引用と感想-

 

ポビドンヨード液(イソジン)によるうがいに注意

テレビで、「新型コロナウィルス感染予防にポビドンヨード液(イソジン)によるうがいが有効」とのコメントを目にしました。

確かに、ポビドンヨードは細菌やウイルスに対する強い殺菌効果があります。

ところが、その強力な殺菌性ゆえに、のどや口の中にもともといる『正常な細菌』をも殺菌してしまいます。すると、口腔細菌叢(細菌同士の棲み分け)のバランスを壊してしまい、新たに侵入した細菌やウィルスによる感染症を引き起こす恐れが生じます。

また、ポビドンヨードの刺激性により粘膜なども痛めてしまい、これも新たな感染の場を作るリスクになります。

さらに、一般的にポビドンヨードのうがい薬の安全性は高いと言われていますが、長期使用に関しては甲状腺機能に影響を与える可能性が指摘されています。

新型コロナウィルス感染予防を目的とした、安易なポビドンヨード液の使用は危険です。

ご心配な方は、院長にご相談ください。

 

新型コロナウィルスと口腔細菌の密な関係  重症化を防ぐキーワードは口腔衛生にあり             

今回は、いま感染拡大を続けている新型コロナウィルスに対して、正しい予防の仕方の参考になればとの思いから、花田 信弘氏(鶴見大学歯学部探索歯学講座 教授)へのインタビュー記事より要約、編集したものをご紹介します。

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ウィルスによる肺炎には、大きく分けて3つの種類があります。

1つはウィルス単独による肺炎、2つ目はウィルスと細菌の混合性肺炎、3つ目は一旦ウィルス性肺炎が治まった後、二次的に細菌性肺炎が起きるパターン。

インフルエンザの場合は2番目が多いのですが、新型コロナウィルスでは3番目のパターンが多いというデータが出ています。

細菌性肺炎の場合、その細菌はどこから肺に入り込むのでしょうか。

人間の体内には、2大細菌叢(細菌が塊を作って多く生息している状態)があり、それは腸内と口腔内です。腸内細菌が肺に行くというのは、解剖学的に考えにくい面があります。その点、口腔細菌の場合は、歯周病や(進行した)う蝕(=むし歯)があると、心臓を経由して肺に行ってしまうのです。

普通であれば、肺には細菌に対する防御機構がありますから、口腔細菌が来ても入り込むことはできません。しかし、新型コロナウィルスによって肺の上皮細胞が傷つけられた状態になると、そこに定着してしまう可能性が高くなります。

インフルエンザウィルスの場合は、侵入するところが上気道(気管より上の部分)のほうなのですが、新型コロナウィルスの場合、受容体(入り込む場所)であるACE2が肺胞にたくさんあるため、上気道を通過していきなり肺に行ってしまう可能性が高いのです。プロ野球選手やJリーガーが多く感染していますが、アスリートはスポーツなどで深い呼吸をすると思いますから危険性が高いのではないでしょうか。

2003年に流行したSARS1はかなりの強毒性のウィルスで、ほとんど細菌が関与する余地がなかったのですが、ご存知の通り今回のSARS2(新型コロナウィルス)は無症状の不顕性感染者が多く報告されていますので、ウィルス単独としてはそれほど強毒性ではないように思います。

そういう意味で、重症化の他のファクターとして口腔細菌の要素がかなりあるだろうと。

(口腔)細菌が肺に行くプロセスは2系統ありまして、一つは歯周病に代表されるように毛細血管から血流に入ってしまうルート。そうすると必ず肺の間質(血管や神経などのあるところ)まで行きますので、いわゆる間質性肺炎のリスクが高まります。もう一つは唾液中の細菌が誤嚥されることによって肺胞に入り肺胞性肺炎につながるのです。これがいわゆる誤嚥性肺炎です。

先ほど申し上げた通り、普通であれば肺の免疫機構で抑えられるはずですが、新型コロナウィルスによって上皮細胞が破壊されておりますので、容易に肺炎に繋がるわけです。

この二つの系統の肺炎を抑えるためには、それぞれに合った口腔衛生をしなければなりません。

間質性肺炎のリスクを下げるためには、歯周病やう蝕を予防するように歯みがきをしなければなりませんし、誤嚥性肺炎のリスクを下げるためには舌みがきが重要になってきます。

逆に言えば、二次的な肺炎で重症化さえしなければ、新型コロナウィルスはそれほど怖いウィルスではないということです。どうやって重症化を防ぐかが重要になるわけです。

今まで私どもは、歯周炎(=歯周病)が慢性炎症につながり、ひいては動脈硬化につながっていくという生活習慣病対策として歯周病予防の重要性を謳ってきました。

生活習慣病予防のためのキーワードは、菌血症とエンドトキシン(細菌がもつ毒素)血症で、おそらくこの二つが中心的な役割を担って生活習慣病を発生させているのです。そして、この菌血症とエンドトキシン血症は細菌性肺炎のリスクにもなっています。

実際のところ、重症化するかどうかの肝はサイトカインストームが発生するかどうかです。その引き金を引いているのは、歯周病菌のLPS、つまりエンドトキシンなわけですから、それであればエンドトキシンを口腔内から肺に入れなければいいというのが、予防歯科の立場なのです。

我々歯科医師がやるべきことは、先ほどお話しした細菌のコントロール(=増やさないこと)、もう一つが咀嚼系の維持、栄養のコントロール(=確保)です。

新型コロナウィルスの重症化患者を調べた論文でも、栄養失調の患者が非常に多いと言います。噛めていない人は栄養失調の可能性が高いことは明らかです。柔らかいものしか食べられない人は、ほとんど炭水化物でカロリーを摂って終わりになりますので、タンパク質だとか脂質だとかビタミン、ミネラルが不足しています。

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特に「withコロナ時代」では、予防歯科が重要だと思います。

まずは患者さんにしっかりとホームケアをしていただくこと。

プロケアに関しても、しっかり感染対策を講じていれば、過分な心配はいらないと思います。

ホームケア、プロケア両方で、口腔細菌を制御すれば、新型コロナウィルス感染症の重症化だけでなく、インフルエンザウィルスによる肺炎や誤嚥性肺炎のリスクを下げ、ひいてはほぼ全ての生活習慣病の予防にも繋がるのではないでしょうか。

(Dentalism July 2020 No.40掲載の記事の要約、編集)

 

ユニクロに感謝

ユニクロから、医療用マスクが4箱送られてきました。

マスクが不足していた頃、ユニクロから医療機関向けにマスク配布の募集がありました。

直接コロナの感染に携わっている医療機関ではないので、期待はしていませんでした。

思いがけず今週届き、感動しました。

さすが、社会への貢献まで考えているんですね。

会社のほうへ、感謝のメールを差し上げました。

大切に使わせていただきます。

 

保育園理事長退任

公務が増えたため、9年間務めたあゆみ保育園の理事長を退任しました。

3人の子供たちがお世話になったご縁から、私で何かお役に立てるならという思いでお引き受けしました。

在任中、これといって何かを成し遂げるなどということはできませんでしたが、保育園として初めて理事会という形になった当初から、何もわからず手探りでやってきたというのが正直なところです。

理事の方々、園の方々のご協力のもと、保護者ではなく、子どもたちを預かる立場になって、貴重な体験をさせていただきました。

9月28日、理事の有志による歓送迎会を開いていただきました。

頂いた花束を医院の窓口に飾らせていただきました。