春の使い

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今年の3月は寒暖の差が大きく、5月上旬の気温だったり2月の気温に戻ったり。

まあ、3月だからといって例年の3月並みの陽気が続くとは限らないのですが。

3月24日、穏やかな陽気だったので、久々に芝の手入れをしていたらご覧の通り、たぶんジョウビタキのメスだと思いますが、土を起こした所に近づいて来ました。距離としては1.5mくらいでしょうか、もっと警戒心が強いかと思っていましたが、餌の気配に釣られてか、こんなに近くまで寄ってきてくれました。チッチッと、姿同様に愛らしい鳴き声でした。

もうひとつの写真は4月3日のもの。

前橋でもつい先頃桜満開が発表されました。

日本人って本当に桜が好きですが、ここはあえてコブシの花に焦点を合わせてみました。

霞か雲かというように、桜はマスとして眺めるもので、コブシはどちらかというと梅などのように一輪一輪愛でるものなのかもしれません。

さてこれからたくさんの花の競演が始まります。私の好きなバラも咲き始めます。

今年は挿し木の成功率も高かったので、開花の楽しみもひとしおです。

我が青春の思い出

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自宅横にある物置が老朽化(築50年弱)し、見た目にも安全面でも問題があったため、つい先日建て替えのため取り壊しました。

それに先立ち、必要最小限の中身だけ残すことにしました(私の年代って、捨てることが下手なんです)。そしたら偶然このコーヒーカップのソーサーが出てきました。カップはこれまで時々使っていたのですが、ソーサーは30年近く見つからずに諦めていました。現在の自宅を新築する際、紛れてしまったのでしょうね。

このカップはソーサーと一対でなければ、私にとっての意味は半減してしまうのです。

19歳の時、つまり1973年、当時東京の練馬区江古田で、外国からの留学生もいる学生寮で慎ましく暮らしていました。進路に迷いがあり、早稲田を中退し予備校に通っていた、人生で最も苦しい、悩み多き青春時代を送っていました。

寮から駅に向かうダラダラの下り坂は「くの字」に曲がっていて、ちょうどその角に小さなおもちゃ屋さん(今だとアクセサリーショップのようなお店)があり、ショウウィンドウ越しに飾ってあったこのカップ&ソーサーは、当時、心が寂しかった私には、とてもほんわか温かみを醸し出して見えました。食事を節約しながら2、3ヶ月我慢して、店に飛び込みました。当時、600円くらいだったかと記憶しています。「これで飲むとコーヒーが美味しくなるよ」と、カップを包みながら微笑んだ店主のおじさんの声がいまでも思い出されます。

あれから40年以上経ちました。このカップ&ソーサーを手にするたび、当時のほろ苦い記憶がいろんな情景とともに、浮かび上がってきます。そして、いまの幸せを感謝しています。

あのお店はまだあるんだろうか、おじさんはどうしているだろうか、もうすっかり風景が変わってしまい、当時の面影すら残っていないかもしれない—でも私の心の中に鮮やかに残っています。

六本木ヒルズ

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1月28日、(株)プラネットの依頼で、六本木ヒルズにあるアップルジャパンの研修室でプレゼンテーションを行ってきました。

なかなか入れないところですよね。

気分はすっかりお上りさんで、早速例の有名なオブジェをワンショット。

ところでプレゼンの内容は?

ごく簡単にいうと、「ソフトを活用した歯科診療におけるデータ管理とコミュニケーションの構築」といったところでしょうか。

持ち時間2時間でしたが、さすがに普段喋り慣れていない私の声は、プレゼン終了時には森進一状態でした(!?)。

何かひとつでも皆さんのお役に立てる内容をご紹介できたらなあ、との思いでお話ししましたが、皆さん熱心に聞いていただき、最後には質問もたくさん頂き、とにかく感謝です。

ところで、アップルジャパンの各部屋は完全にシースルーになっていて、廊下から内部がすべて見えてしまいます。 普段診療室という閉鎖環境にいる人間にはとても新鮮な光景です。

また、各部屋には名前がローマ字で書かれていて、それがほとんど江戸から明治時代の著名人の名前です。

3枚目の写真がそれですが、この部屋は「Basho」です。

そのほか、「Saigou-San」「Kido Takayoshi」といったものもありました。

外国人には、そのほうが部屋の名前が記憶しやすいからだとか。

もっと写真は撮ったのですが、間違って「—権違反」なると大変なので、これ以上のアップは残念ながらさし控えたいと思います。

とにかくApple Japanはamazing worldでした。

あれ?気づかぬうちに英語ずれしてました(笑)。

 

歯ブラシ エコ編

IMG_3887_edited-1「たかが歯ブラシ、されど歯ブラシ」

これまで、このテーマについては続編まで出して述べてきました。

今回は、ちょっと別の方向から歯ブラシを見直してみましょう。

といっても、歯ブラシ本来の目的は、歯や歯の周辺に残った細菌や汚れを取り除くことです。使い込んで毛先が曲がってしまった歯ブラシは、当然この歯ブラシ本来の使命を全うすることはもはやできなくなります。

「歯ブラシ エコ編」とは、こうなった歯ブラシをさらに使おうというものではありません。役目を終えた歯ブラシに第二の「歯ブラシ人生」を送ってもらおうということです。

第二の「歯ブラシ人生」は、バスルームのタイルの目地の掃除器具としての再利用です。

そのままでも使うことはできますが、植毛部のすぐ下のネックの部分を毛先と反対側に曲げると、掃除の際タイル面に指がぶつからず、かつブラシに力が入りやすくなります。

ネック部をバーナーで熱し、軽く指で力を加えると簡単に曲がります。熱を加え過ぎると溶けたり焦げたりしますから、「少し加熱しては曲げる」を繰り返したほうがうまくいくようです。

最近の歯ブラシの毛は、ナイロンやポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、さらにナイロンを芯としてPBTでコーティングしたもの(毛先が極細のブラシはこのタイプ)が主流です。

ホームセンターでタイル目地用のブラシが販売されていますが、歯ブラシを加工したもののほうが清掃効率、耐久性ともずっと優っているというのが私の感想です。特にPBT製のものは耐久性抜群です。まさしく歯ブラシの性能に脱帽です。

皆さんの歯ブラシの第一の人生はどのくらいでしょうか。

私は朝晩は自宅の歯ブラシ、昼は診療所の歯ブラシを使用していますが、自宅の歯ブラシの使用期間はだいたい3週間です。

毛先の開いてきた歯ブラシはコシがなくなるとともに、ねらった部分や方向に毛先が当たりにくくなり、清掃効果は極端に低下します。

毛先がちょっと開いてきたなと思ったら、その歯ブラシには第二の人生を送ってもらい、新しいものに交換しましょう。

タイル目地の掃除に新品の歯ブラシを使ってはどうか?

もちろんそのほうが清掃効果は高いでしょうが、それはあまりにももったいないですね。

師走のCDコンサート 2015

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今年もはや師走。

12/13(日)、恒例のCDコンサートを開催しました。

今年のテーマは、「美しい曲」。

さてその前に。

実は今回、25年来使い込んでいたCDプレーヤーがどうにもこうにも調子悪くなり、泣く泣く買い換えたのです。

せっかくだからと、SACDプレーヤーを購入しました。 SAについては半信半疑でした。

が、機器のデザインはともかく、再生してみるとやはり技術の進歩は歴然でした。

今まで聞こえなかったいろんな音が聞こえてくるのが実感でき、なにより音が豊かになった気がしました。

ま、あまり音にこだわらないほうが音楽を楽しめるんですけどね。

 

閑話休題。

もちろん、「美しい」という審美的評価には少なからず「好み」という主観が関係しているのですが、それでも大多数の人が美しいと評価する場合、そこにはやはり普遍性が存在している、そう思うのです。

そして普遍的に美しいといわれる曲は、とても単純なメロディから構成されているというのも、普遍的な法則なのかもしれません。

ま、そんな講釈はどうでもいいのです。

みんなで聴いて、「やっぱりきれいだね」と満足すればいいのです。

とりあえず、以下が今年のプログラムです。

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  1. G.F.ヘンデル作曲 ”ラルゴ”ヘ長調

Orpheus Chamber Orchestra

  1. 〃 オンブラ・マイ・フ    Kathleen Battle(Sop.)
  2. S.ラフマニノフ作曲 「ヴォカリーズ」

Kathleen Battle, Daniel Saunders (Pf)

  1. W.A.モーツァルト作曲 ピアノ協奏曲No.21 ハ長調 K.467

F.Gulda; C.Abbado: Vienna Philharmonic Orchestra

  1. J.シュトラウス作曲 歌劇「こうもり」から序曲

Carlos Kleiber: Bayerisches Staatsorchester

  1. L.V.ベートーベン作曲 ロマンスNo.2ヘ長調 Op.50

A.Grumiaux;B.Haitink:Royal Concertgebouw Orchestra

  1. 小田和正作曲 緑の丘(東北大学 校友歌)      小田和正
  2. W.A.モーツァルト作曲 バイオリン協奏曲No.3 ハ長調 K.216                                                  Steinbacher;D. Dodds: Lucerne Festival Strings
  3.   J.シベリウス作曲 フィンランディア賛歌  ”Be Still My Soul”                   Izzy
  4. F.レハール作曲 喜歌劇「メリー・ウィドウ」から

Battle, P.Domingo; J.Levine: Metropolitan Opera Orchestra

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当日は、一応なぜこの曲を選んだのか、言い訳をするのです。

1.から3.への流れ、7.をなぜ入れたのか(これは今年のブログで触れています)、9.のシベリウスの愛国心、そして愛国心と関係あるかないか(ほとんどないですね)10.の「メリー・ウィドウ」へ—そしていつしか早くなった日暮れを迎え、お開きとなったわけです。

 

 

ラ・マルセイエーズ

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一昨年、挿し木をしたバラ「ラ・マルセイエーズ」が春に続き、晩秋のいま、立派な花を咲かせました。

本当はいま咲かせない方が来春さらに立派な花や株の成長が期待できるんでしょうが、待ちきれませんね。

この季節のバラは花もちがよく、1週間くらいは咲いていてくれます。

この深紅の1輪は世話をした私へのご褒美でしょうか。

医療研究フォーラム2015

医療研究フォーラム 清水先生発表(全体像) (1)

10月11日、保険医団体連合会(保団連)主催の医療研究フォーラムで、久しぶりに発表してきました。

前日の記念講演では、俳優の宝田明さんが、「戦後70年一人間として言うべきこと」と題し、自らの体験を通じ反戦への思いを語ってくださったのですが、残念ながら聴講できませんでした。サイン会での宝田さんをちらっとお見受けしましたが、やはりカッコよかったですね。

一方で宝田さんは、ちょっと前のNHKでのやり取りを鑑みるに、俳優人生を棒に振ってでもこれだけは社会に訴えなければならないという、一種使命感で今回講演を承諾したのではないかと思います。立派です。

さて私の話に戻りますが、以前は毎年この会での発表を心がけてきましたが、後進への機会提供という思いもあり、ここ数年ご無沙汰していました。

しかし、日常診療の中で何か発表しようという意識でいることは、マンネリ化対策として大事だと思います。

私は、第3分科会「歯科診療の研究と工夫」で、皆さん学術的かつシリアスな発表の多い中、「還暦を迎え、とりあえずあと10年充実した診療を続けるために」という、ちょっと文学的(?)な緊張感を和らげる(緊張感を欠いた)発表を行ってきました。

学会というと、ミクロ的な、現代風にいうとオタク的な発表が多いのですが、私はこのフォーラムのような雑多な発表のある人間的な研究会が好きです。

科学は現実に向き合ってのみ、価値があると思うからです。

おかげで質問もたくさん頂き、結果的にとても気持ちよく発表できました。

また、たくさんの方々の有意義な発表も聞けて、実り多い時間を過ごせました。

(写真は私の発表風景です)

夏咲きのカトレア

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シルバーウィーク中に、夏咲きのカトレアが一斉に開花しました。

その名も、ハワイアンウェディングソング”バージン”。

買ってきてからもう10年以上経ちます。

どんどん殖えるので、株分けを繰り返し、もう6株になりました。

褒めてくれる方にもお分けしました。

写真の株は、1つのシースに6輪の花をつけました。

実はこの花、カトレアにしては珍しくすごく香りがいいんです。

待合室に1株あるだけで、部屋中甘い香りでいっぱいになります。

来年も咲いてくれますように。

 

 

ワインのこと

 

ついこの間までの猛暑が嘘のように、涼しい風が吹き始めました。

診療室の子供たちも、新学期を目前に心なしかその表情に緊張感がうかがえます。

さて、飲兵衛の私に、群馬県保険医協会から「酒にまつわるエピソード」というテーマで原稿依頼がありました。

独断偏見OKとのことなので、早速原稿をしたためました。

政治的なものとは違い、趣味についての御託は語るほうも結構楽しんでいます。

以下がその原稿です。 よかったら読んでください。

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偏見に満ちたワイン考

 

いつ頃だったろうか、私がワインに憑かれてしまったのは。

それまでは、「飲む」といえばビールだった。

若い頃は、自分の体のどこにビールの貯蔵庫があるのかと思うくらい、不思議と飲めた。そして旨かった。

ところが、ある歳を境ににわかにビールの許容量が激減した。

それとともに、酒をゆっくり味わってみたいと思うようになった。

飲兵衛の性とはこういう正当性を主張するのだから始末が悪い。

ところが、いまだかつて日本酒を美味いと思って飲んだことはなかった。正確に言うと、一度だけあった。久保田の万寿という代物を飲んで、「これはワインのようだ」と感じたことがあったが、お足のほうがべら棒に高かった。じゃ、ワインでいいんじゃないの、と思ったのがことの始まりだったろうか。酔っていたのでそれもよく覚えていない。

白は口当たりがいいのでグイグイいってしまう。特にリースリング等、ドイツワインなどにハマったら翌日二日酔いは確実。

今では真夏以外、白はほとんど飲まなくなった(真夏の白は最高、それもシャブリなど辛口が)。

一方の赤ワインは、味以外に香りと色が楽しめ、「酒との語らい」を満喫できる。仕事を終え、1日の反省(?)をしながらグラスを傾ける、まさに至福のひと時である。

赤を飲み始めた頃は、色鮮やかなイタリアのキャンティが口に合った。ぶどうはサンジョベーゼ。それもかなり冷やして飲んでいた覚えがある。

そのうち徐々にボルドーの渋さに傾いていった。ちなみにブルゴーニュは残念ながら酸味が好みに合わない。

持論だが、赤は常温で飲むに限る。そのほうがまろやかな味になり、何より香りが豊かになるからだ。私の場合、ワインの評価はその2/3は香りで決まる。

また、ほぼ毎晩赤を飲む私にとって、高価なワインは当然その対象から外れる。

現在のmy favorite winesの代表をご紹介する(2000円台で購入可能)。

初めてのワインを口にする時、無意識にこれらと比べている。

あくまでも主観なのであしからず(味の深みと香りの豊かさが決め手)。

 

  • レーベンスウッド ジンファンデル ソノマカウンティ(あるいはナパバレー):カリフォルニア産

ジンファンデルは産地違いでイタリアのプリミティーボと同種のぶどう。このワインは2008年のノーベル平和賞の公式晩餐会で使われたことで有名。香りが高貴で味は濃厚。

  • シャトー モン・ペラ・ルージュ:ボルドー産

ワインを扱った漫画「神の雫」で取り上げられて一躍有名になったワイン(ちなみに私はこの本を読んだことはない)。

メルロー主体で、カベルネソーヴィニヨンetc.とか。

甘い香り。抜栓してからしばらく時間を置くか、あるいはデキャンタージュしたほうが味わいが豊かになる。

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真夏のベランダ

 

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「猛暑」だけで異常な暑さなのに、「異常な猛暑」などといった、日本語としてもちょっとおかしな表現がされるほどの状態が続いています。

そんな暑さの中、ベランダのバラはけなげに花を咲かせています。もちろん、春のように「咲き乱れる」というほどの咲き方ではありませんが、決して暑さに強くないバラが、まるで夏を謳歌しているようです。

右奥の赤いのが昨年から育てているラデュレ、中央奥の白がグラステン、手前の黄色がレモン&ジンジャー、そして左上がコンフィダンスです。